残酷な?現実

 我が家の玄関にツバメが巣を作りました。他のツバメがそろそろ巣立ったころに出来た遅い巣でした。3年前にも我が家の玄関を「不法占拠」して足場もない場所に「違法建築」したのですが、台風だったか、強風豪雨の日に巣がまるごと落ちてしまい、ヒナは巣立つことなくすべて絶命してしまいました。


 それまでも、その後も、足場もなにもない我が家の玄関では危ないので、巣を作らせないようにしていたのですが、今年は気づかないうちに8割がた建設してしまっていて撤去するのが可愛そうになり…そのまま見守ることにしました。


 しばらくしてヒナが孵り、4羽がにぎやかにしていました。


 あまり注目していると親ツバメが寄ってこないので、玄関を出入りするときにちょっと様子をみるくらいにしていました。私も、主人も、娘も同様でした。不思議なものでこういう小動物がいると皆の心もやわらかくなるようでした。


 4羽の中で1羽だけ、育ちが悪い子がいました。他の3羽に比べると明らかに大きさが違っています。えさの争奪戦に負けてるのかな…とおもいつつ、元気さでは負けていないようなのでひそかにがんばれ!と応援していました。


 先週の土曜日、娘が帰宅したとき「ヒナが落ちてる!」と言いました。あのチビちゃんが下に落ちていたのです。はたして自分で誤って落ちたのか、他のヒナに落とされたのか、まだ生きてはいるものの、弱弱しい感じでした。上にむりやり戻してもダメだろうし、もう長くは生きていないだろうと思って玄関先にプラスチックの皿を置き、そこにいれておいてやりました。


 次の朝になると思いのほか元気な様子でしたので、以前巣が落ちたときに使ったかごに入れてやり、上にはあげられませんが台を置いて地面の熱が直接伝わらないようにして様子を見ることにしました。そのまま月曜まで…元気そうな様子に見えましたのでもしかしたら親ツバメがえさをやっているんだろうか?と一縷の望みをたくして様子をみていました。


 ですがふんがあまり出ていません。物陰から見ていてもえさをやっている様子が見えません。


 月曜の夕方になり…チビちゃんは動かなくなりました。


 自然の中に生きているものですから、仕方ないとは思いますがやはり悲しかったです。気温も高かったので、家の植木の根元に埋めてやりました。


 まだまだヒナにしか見えない顔立ちでしたが、残った3羽はもうツバメの顔立ちです。近々巣立つことでしょう。せめて残った3羽は元気で巣立ってほしいものです。